がんと向き合い生きていく

がんと糖尿病、医師の“言葉”がなぜこうも違うのでしょう?

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病は血管が悪くなる病気で、心筋梗塞とか脳梗塞、腎臓病のもとにもなるんだって、それも教わって知っています。よく考えると、糖尿病が悪くなったのは通勤がなくなって毎日がテレワークになったからだと思っています。先生、私に何かアドバイスはありませんか?

 ◇  ◇  ◇ 

 私は答えました。

「できれば人のいないところを選んで、1日7000歩くらいは歩くことを勧めます。それで糖尿病の数値も良くなることが期待できるし、痩せると大腸がんのリスクも減るのですよ」

 Gさんは「そう言われると、たしかに昨日は400歩しか歩いていませんでした……」と振り返りました。

 Gさんに歩く習慣が身に付けば、糖尿病の担当医の言葉も変わるかもしれません。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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