患者さんの心臓の状態を平面ではなく立体的に把握できるCTやエコーといった画像診断技術が開発されたことで、より理想的な手術の“設計図”がつくれるようになりました。患部にどうアプローチして、どのような処置を行えば理想的な完成形に近づけるのか。何かトラブルが起こった時は、どう対処すればいいのか。手術前に詳細なシミュレーションができるため、さらに万全な準備ができるようになったのです。
■リスクを減らしてより安全に宝物を手に入れる
若手医師に対しても、「宝物を手に入れるためにいちばん大切なことは徹底的な準備だ」とよく話しています。
宝物を探し出すには、それなりの作業が必要です。海に潜ったり、洞窟に入ったり、穴を掘ったり、人が足を踏み入れていないエリアに分け入ったりしなければなりません。ただし、これはリスクを伴います。時と場合によっては命を失う危険もあるでしょう。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」