年間2000人が被害に…「マムシ咬傷」での致死率は0.8%

マムシに噛まれる事故は年間2000人

 重症化すると筋肉が溶けて(横紋筋融解症)、いわゆる血尿が出る場合がある。

「人によっては急性腎不全を起こすこともあります。また播種性血管内凝固症候群(DIC)といって、血小板の数が減り、消化管から出血が起こり、吐血することもまれですが報告されています。マムシ毒には血小板を凝集させる成分が含まれているため、正常な血小板が急激に減ってしまい、出血しやすくなるのです。重症化の割合は、患者の2%前後とされています」

 噛まれたときの応急処置として、創より上流(心臓側)をベルトやタオルなどで縛って、毒の回りをできるだけ遅らせること。アウトドア用のポイズン・リムーバーで毒を吸い出すのも効果的と言われているが、口で吸い出すのはやめたほうがいいだろう。

 まずはなにより急いで病院に搬送することだ。以前は「少々時間がかかっても慌てず安静を保って搬送するように」と言われていたが、いまは「走ってでも病院に急げ」に変わってきているという。毒が広がるまでに30分から1時間かかるので、それまでに救急を受診し、初期治療を受けられれば、重症化のリスクを下げることができる。万一ゴルフ場などで噛まれたときは、とにかく病院に急ぐことが肝心だ。

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