進化する糖尿病治療法

運動とセットでプロテインを取れば効率よく筋肉量を向上

プロテインは運動とセットで(C)PIXTA

 運動して筋肉量が増えれば消費エネルギーも増加します。消費エネルギーの総量は、生命維持に必要な代謝である「基礎代謝(安静時でも消費されるエネルギー)」、運動や日常生活の動作など身体活動による「エネルギー代謝」、食事をした後に代謝量が増大する「食事誘発性熱産生」の3つ。それぞれが占める割合は60%、30%、10%です。

■タンパク質の摂取量目安は体重1キロにつき1グラム

 基礎代謝は加齢とともに下がりますが、筋肉量が増えれば上がります。エネルギー代謝は運動に関わっています。基礎代謝とエネルギー代謝を足せば、消費エネルギー総量の90%を占める。要するに、消費エネルギーの総量を上げるには、運動(筋肉)が不可欠なのです。

 適度な運動をし、食事でタンパク質や糖質を適量取れば、筋肉量の向上がより期待できます。タンパク質の摂取量の目安は、最もシンプルで覚えやすいのが、体重1キロにつき1グラム。体重50キロの人ならタンパク質50グラム、60キロなら60グラムです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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