進化する糖尿病治療法

運動とセットでプロテインを取れば効率よく筋肉量を向上

プロテインは運動とセットで(C)PIXTA

 運動を定期的に行うならこの1・5倍ほどが目安になりますし、タンパク質の吸収率が低下している高齢者では体重1キロにつき1グラムよりもう少し多い量のタンパク質を取ったほうがいい。高齢者では、筋肉量不足によるフレイルやサルコペニアが健康寿命を短くする恐れがあるので、意識してタンパク質を摂取しなくてはなりません。

 ところが、食事で十分なタンパク質を取ろうとすると結構大変です。だいたい手のひら片手分の肉類でタンパク質16~20グラム、魚介類で16~20グラム、豆腐3分の1丁で6~7グラム、卵1個で約7グラム、納豆1パックで約8グラム。

 タンパク質は、一度にたくさん取っても体内に吸収できませんから、こまめに取らなくてはいけない。

 1日3食、毎回タンパク質のおかずを揃えられるかというと難しい人もいるでしょう。高齢者では、食事量が減っているので、そもそも必要量を取れない人も。タンパク質摂取に一生懸命になりすぎると、脂質もたくさん取ってしまうのも問題です。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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