コロナ第4波に備える最新知識

接種が多い地域で新規感染者増 ワクチンで何が起きている?

(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナ対策の切り札と期待されているワクチン接種。日本では2月17日から医療従事者への接種が始まり、4月12日からは65歳以上への接種もスタートした。ワクチン不足から接種者数は多くはないが、現時点で何が起きているのか?

 短期的急速接種が進む国ではイスラエル、英国のように新規感染者が劇的に減少する一方で、インド、ブラジル、チリなど人流制限の緩い国ではむしろ激増しているように見える。

 日本ではどうか。表は首相官邸HP掲載の都道府県別実績(医療従事者等、高齢者等)から2月17日~4月16日の1回目接種者数と新規感染者数を並べたもの。東京、大阪など人口が多くワクチン接種者が多い地域では感染者は増えているように見える。

 それは単に人口密度が高く感染しやすいためなのか、感染への警戒感が薄れて感染する人が多いのか、感染力が高いといわれる変異株の割合が増えているせいなのか。

 ワクチンは1回では効果が薄いとされる。1回接種者は感染しても症状が抑えられるため、無症状スプレッダーになっている恐れはないのか。

 ちなみに4月15日までにワクチンを接種した人のうち、接種後の感染が確認されのは231人。このうち205人は1回目の接種後だった。

■副反応は若い女性に多く接種後10人死亡

 副反応は先行接種した医療従事者約2万人を対象に、接種後約1カ月に起こった症状・疾病の内容が公開されている。

 それによると、1回目より2回目接種後の方が副反応が強く、年齢が高くなるほど発生率は低下。2回目は37・5度以上の発熱が38%(1回目3・3%)。そのうち38度以上は21%。全身倦怠感69%(同23%)、頭痛54%(同21%)で、いずれも接種当日か翌日に表れた。接種部位の痛みは、1、2回目とも90%強で変化がなかった。2回目接種後の37・5度以上の発熱は、20歳代50%強、30歳代45%弱に対し、65歳以上は9%だった。全身倦怠感や頭痛も高齢者では低かった。

 副反応の強さは、男性より女性の方が強く、頭痛は男性37%に対して女性62%、37・5度以上の発熱は男性30%に対し女性42%だった。

 なお、2回目の接種後に体調不良などで欠勤した人は6%いたという。

「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」によると、4月21日までの約2カ月の間に接種後20日以内に亡くなった人が健康な20代女性を含め10人いたという。

 61歳女性は接種3日後にくも膜下出血、26歳女性は脳出血とくも膜下出血で、C型肝炎などの持病を抱える72歳女性は接種3日後の夜に脳出血で倒れてその2日後に亡くなった。抗血栓薬を飲んでいた62歳男性は接種翌日の朝風呂で溺死した。65歳男性は接種から19日目に急性心不全で、69歳女性は接種から9日後に脳出血、51歳男性は接種後14日目の就寝中に心室細動で、花粉症の37歳男性は接種3日後の朝に心肺停止状態で亡くなった。他に血液透析中の73歳男性が敗血症、102歳の女性が誤嚥性肺炎で亡くなっている。

 いずれの場合も専門家の評価は「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」とされている。

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