最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

在宅医療に不可欠な存在「ルートマネジャー」の役割は?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 私たち「あけぼの診療所」では、現在約500人の患者さんを在宅で診ています。1日の訪問数は約60人。疾患としては、全体の半分ががんで、そのほかは脳疾患や呼吸器疾患などの患者さんが多くを占めます。

 当院では1つのチームを「ライン」と呼んでおり、ほぼ毎日稼働しているのは5~6のライン。1ラインは、医師と、「診療パートナー」と呼ぶ看護師や言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、救急救命士、管理栄養士、車の運転ができるバックオフィスの要員などのスタッフで構成されています。

 この中に、「ルートマネジャー」というスタッフがいます。他の業務と兼任となりますが、ルートマネジャーがいなければ在宅医療がうまく回らないと言っても過言ではないほど、在宅医療をする上で非常に重要な存在です。

 その仕事内容を具体的に紹介しましょう。基本的には訪問ルートの決定なのですが、これが実に複雑なのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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