最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

在宅医療に不可欠な存在「ルートマネジャー」の役割は?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 まず、患者さんの状態をトータルに把握し、ニーズに合わせながら効率良く回るためのルートを週替わりで考えなければなりません。その際、主要な幹線道路、裏道、道路事情、たとえば各患者さんの家の位置関係やその周辺の道路の混雑具合など、本当にさまざまな条件を総合的に考慮する必要があります。

 次に、患者さんは、人生の締めくくりが近づいている方、それまでは調子が良かったけれど2~3日前に急に調子が悪くなった方、またはお薬が合わず調整している方などさまざま。治療の難しい症例や時間がかかる症例なども。この患者さんには、どの専門知識のある医師が適しているか。患者さんの状態に合わせて“色分け(トリアージ)”しながら、医師との組み合わせやラインの振り分けも考えなくてはなりません。

 さらにルートマネジャーは、スタッフがご自宅に訪問する時間も管理しています。訪問看護さんの時間と重複しない時間帯、同席してもらった方がいい場合はその時間帯、ご家族がいる時間帯などです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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