独白 愉快な“病人”たち

がんで胃を全摘 元プロレスラー田上明さんが一番心配だったこと

田上明さん(C)日刊ゲンダイ

 じつは現役時代から「心房細動」っていう不整脈の持病があって、血液サラサラの薬を飲んでいたから、なかなか血が止まらなかったんだ。結局、輸血を2リットルぐらいしてなんとか助かった。でもって、その後の検査で胃がんが見つかったというわけ。

 酒とたばこ、暴食に加えて不規則な生活を好きなだけしてきただけに「俺が胃がんで全摘か……」としみじみ思ったね。一番心配だったのはやっぱり「酒が飲めなくなるのかな」ということ。主治医には「たしなむ程度なら」と言われたけど、ちょっと“脅し”を入れながら聞いちゃったから、無理やり言わせた感じ(笑い)。おかげさまで今も酒、たばこはがんがんやってます。少し量は減ったけどね。

 それまでケガで入院はあっても内臓の手術なんかしたことなかったから、手術前は「嫌だな」と思ったよ。でも実際は手術後の方が大変だった。食えないんだよ。ちょっと食ったら苦しくなっちゃうし、よく噛んで少しずつ食わないといけないから時間がかかるし。体重なんか110キロぐらいあったのに、95キロまで落ちちまった。

2 / 6 ページ

関連記事