秒速薬膳でアッという間に健康に

ナガイモ・ギンナン・くるみを組み合わせて頻尿をストップ

ギンナンとナガイモ、くるみのバターめんつゆあえ
ギンナンとナガイモ、くるみのバターめんつゆあえ(提供写真)

 なんだかやたらとトイレが近い、夜中に尿意で何度も目が覚めてぐっすり眠った気がしない……。外出や睡眠の妨げになる「頻尿」。生活の質を落とさないためにも、食の力で対策を図りましょう。

 中医学では、頻尿は膀胱と関係の深い臓器「腎」の弱りが原因と考えます。体内の余分な水分は、腎の働きによって尿として排泄するために膀胱へ送られます。膀胱は尿をためたり排泄したりする臓器で、膀胱の開閉や尿の排泄量を調節する働きにより管理されています。腎が弱ると、その影響は膀胱に及びます。尿の量を調節し、膀胱に尿をためる機能が弱まることで、頻繁に尿意を感じるのです。さらに、尿漏れ、尿失禁、尿のキレが悪いといった症状も引き起こしがちです。

 また、腎は老化をつかさどる臓器でもあります。トイレの回数が増えたり、夜中に尿意で目が覚めたりするようになったら、腎が弱っているというサイン。頻尿ばかりか足腰の弱り、記憶力の衰え、薄毛なども加速するので、しっかり腎の立て直しを図りましょう。

 頻尿改善のためには、まず腎の働きを高める食材を取り入れることが大切です。おすすめはナガイモ。速やかに弱った腎の働きをサポートする作用があり、老化防止にも役立ちます。また、クルミと栗は腎のパワーをアップするとともに、頻尿に威力を発揮する食材。甘栗やミックスナッツなどでこまめに取り入れることをおすすめします。

 尿止めに役立つのがギンナンです。体を収斂させる作用があり、中国では「トイレを我慢しなければならないときにはギンナンを食べておく」という習慣があるほど、尿の出を抑制する優れた働きがあるのです。夜間尿が気になる人は、寝る前にギンナンを食べておくのもよし。もち米も、尿をストップさせるお助け食材。体内から液が漏れ出さないようにする「固摂作用」があるのです。気になるときは、お餅やおこわをどうぞ。

 晩酌はもち米を原料とする紹興酒がおすすめ。体を温めながら症状の改善に役立つので、適度に取り入れるのもよいでしょう。

■頻尿解消薬膳レシピ

ギンナンとナガイモ、くるみのバターめんつゆあえ

 腎の機能を高めるナガイモとくるみ、そして尿の出をストップする作用があるギンナンを組み合わせたレシピ。バターとめんつゆがギンナンとナガイモをおいしくつないだ一品です。

【材料】
●ギンナン(水煮)  10粒
●ナガイモ  10センチ
●くるみ  10グラム
●バター  10グラム
●めんつゆ(ストレート)  大さじ3

【作り方】
 耐熱皿にギンナンを入れてバターをのせ、ラップをかけて30秒加熱する。その間に、ナガイモの皮をむいて包丁の背で叩き、ボウルに入れる。続いて、加熱したギンナンを溶けたバターごと入れ、めんつゆを加えて全体を混ぜ合わせる。器に盛り、刻んだくるみを散らす。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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