時間栄養学と旬の食材

【サザエ】ダイエット中なら朝、疲れているなら夜に食べる

疲労回復効果も

 名前の由来に「ささやかな家」という意味があるとされるサザエは、エサとなる海藻の匂いが基となる独特の香りとコリコリの食感が魅力の食材です。ちょうど初夏から夏が最も栄養を蓄える産卵期なので、一般的には春から初夏にかけてが最もおいしい旬となります。

 サザエには、流れの強い外湾で育った角のあるもの、穏やかな流れの内湾で育った角のないものがありますが、味は変わらないとされ、可食部100グラム当たり89キロカロリーと非常に低脂質、低糖質、低エネルギーなのです。

 そんなサザエですが、栄養素のほとんどは「タンパク質」です。

 近年ではダイエットをする際に十分なタンパク質を摂取する重要性が唱えられていますし、時間栄養学の観点から考えると、朝にぜひ取りたい栄養素です。

 タンパク質と同様、同じ貝類であるアサリやアワビ、ホタテなどと比較すると、含有量が上回っているのは「マグネシウム」です。マグネシウムは私たちの中でとても重要なミネラルです。最近、その摂取不足が高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病、歯周病、がん、うつ病、疲労、アルツハイマー病など、さまざまな病気に関わっていることがわかってきて注目されています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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