「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

抗血清の使用は5~6割

■正式な治療ガイドラインはない

 マムシ咬傷の治療は主に地方の病院で行われ、しかも1病院当たり多くても年間数例であるため、全国的な症例の蓄積が進まず、いまだに正式な治療ガイドラインが作られていない状況だ。

「暫定的なフローチャートはあるのですが、エビデンスが十分でないので、どんな治療を行うかは担当する医師に委ねられています」

 肝心の抗血清は、「グレードⅢ(腫脹が肘または膝まで広がった状態)以上に達したら使用せよ」と、フローチャートや多くの文献で推奨されている。

 グレードⅢ以上になると、患部だけでなく腎臓や肺に障害が出て、入院期間が長期化することが多いのだが、抗血清を投与することによりさらなる悪化を抑え、入院期間を短縮できるとされている。

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