新型コロナワクチンの疑問に答える

新型コロナワクチンの「副反応」について正しい知識を学ぶ

特別養護老人ホームでワクチン接種を受ける入所者(左手前)/(代表撮影)

 新型コロナウイルスのワクチン接種は医療従事者に続いて、65歳以上の高齢者向けの接種が始まっているが、アナフィラキシーショックといった「副反応」が心配で決めかねる人も多いだろう。奥田先生も4月下旬に1回目の接種を迎えたという。「筋肉注射なので少し痛みはありましたが、心配するような症状はありません」。今回は「副反応」について正しい知識を学ぼう。

【Q】「副作用」ではなく「副反応」と呼ぶのはなぜか

【A】「副作用とは治療薬を使用した時に起こる健康被害などの作用のことを指します。ワクチンの場合は接種した時の免疫が与えられる以外のアレルギー反応などのことを副反応と呼びます。ワクチンを打つと体内に異種タンパク質が入ることで体が反応して、炎症性サイトカイン(炎症反応を促進する働きを持つタンパク質)などを産生し、鼻水、発熱、体のだるさなどが生じます。これはワクチンそのものによる副次的なものではなく、免疫応答(外来の侵入者から身を守るために体内で起こる反応)によるものなので、『副反応』と呼びます」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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