時間栄養学と旬の食材

ラッキョウは「食物繊維の王様」焼くと抗酸化作用が20倍に

食物繊維の王様
食物繊維の王様(C)日刊ゲンダイ

 漬物として年中売られているラッキョウですが、生で購入できる期間は限られていて、その旬は5月から7月になります。

 ラッキョウに含まれる栄養素はほとんどが水溶性なので生がおすすめ。甘酢漬けの場合は汁に栄養素が溶け出しているので、汁も一緒に食べることをおすすめします。

 たとえば、食物繊維は20.7グラムのうち18.6グラムが水溶性です。特にラッキョウに含まれる食物繊維はなんとゴボウの約4倍!そのため「食物繊維の王様」とも呼ばれているのです。便秘予防に役立つでしょう。

 ラッキョウの独特の辛味やにおいの原因はアリシンです。タマネギやニラにも含まれる成分で血液をサラサラにする効果が期待されています。また、エネルギー産生に役立つビタミンB1の吸収を高める可能性があるので、ビタミンB1が豊富な豚肉や玄米などと合わせると疲労回復も期待できます。カレーの豚肉とラッキョウはとても良い組み合わせなので、一緒に玄米ご飯にするなどの一工夫もよさそうです。

 とはいえ、アリシンを食べた後のにおいが気になる方も多いはず。そんな時には、リンゴの皮や緑茶に含まれるカテキン、紅茶やウーロン茶、コーヒーなどに含まれるタンニンを一緒に取ることで消臭効果が期待できます。ぜひ活用してみてください。

 ほかにも美容効果が期待できるビタミンC、代謝促進が望めるカリウムも含まれていますが、食べ過ぎると胃に負担をかけてしまうので、1日4個を目安にしましょう。

 最近話題の黒ラッキョウは生ラッキョウを加熱し、糖とアミノ酸を変色させた加工品です。動脈硬化改善や血栓予防が期待されるシクロアリインが生ラッキョウの2倍以上、活性酸素を抑制する抗酸化作用も通常のラッキョウの約20倍にもなるそうです。また、糖度は30度以上といわれ、ミカンやリンゴの約3倍近い甘さになります。

 とはいえ、「加熱」という加工をしているので熱に弱いカリウムやアリシンは生ラッキョウの方が多くなります。目的に応じてラッキョウの種類を楽しんでみるといいでしょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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