「下流クラスター」を収束させるにはやはり検査の拡充が必要

成田空港で帰国・入国者のPCR検査を行う検疫担当者(C)共同通信社

 飲食店、商業施設、スポーツ文化施設などは、しっかり感染防護されていれば、最近のクラスター発生データが示すように、その場での感染リスクは低いという。

「新型コロナウイルスの感染力が強いのはたしかですが、個室や隔離された席での外食では感染しません。マスクをしていれば、屋外の散歩や街中での買い物も安全です。混雑した電車でも、換気の良い状態で対面1メートル、横隣50センチの間隔を確保した上で、マスクをして会話をしなければ、感染リスクはほとんどありません。こうした予防策が周知徹底され、会合会食が自粛されれば、商業施設や飲食店の休業、時短営業は緩和できます」

■有症者や濃厚接触者だけの検査では不十分

 同時に重要なのが、やはりPCRなどの検査の拡充だという。

 クラスターが発生した医療機関や高齢者施設では、最初の感染者が発覚した時点で、速やかにすべての患者と職員のPCR検査を行い、無症状の人を含む感染者を早期隔離して治療にあたる。そのうえで、施設内のゾーニングを徹底して感染収束させるのが理想的だ。第1波の頃から指摘されているように、まずはPCR検査が収束のスタートなのだ。

2 / 3 ページ

関連記事