名医が答える病気と体の悩み

新型コロナウイルス感染症ではない「肺炎」の原因と治療は?

内科医の谷本哲也氏(提供写真)

 高齢者で短期間に誤嚥(ごえん)による肺炎を繰り返したり、人工呼吸器などを使用しても回復の見込みがなかったりする場合は、ご家族と話し合い、患者さんに負担のかかる治療法は差し控える選択肢もあります。

 一部の肺炎は予防することが可能で、とくに肺炎球菌は肺炎の中でも、頻度が高く、重症化しやすい。そのため、がんの治療中などで免疫力が低下している方や高齢者(65歳以上)には「肺炎球菌ワクチン」の接種をすすめています。1回の接種で免疫力が5年以上持続するといわれます。

▽谷本哲也(たにもと・てつや)1997年九州大学医学部卒。ナビタスクリニック、ときわ会常磐病院、社会福祉法人尚徳福祉会、霞クリニック、株式会社エムネス、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所。年間延べ1万人前後の診療に携わる。著書に「知ってはいけない薬のカラクリ」(小学館)、「エキスパートが疑問に答えるワクチン診療入門」(金芳堂)など。

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