独白 愉快な“病人”たち

直腸がん克服 アクション俳優の松田優さん救った握力グリップ

松田優さん(C)日刊ゲンダイ

 以前の自分は健康なんて当たり前でした。でも今は健康になることはこんなに素晴らしいと思えるし、健康になるために頑張ることをすごく楽しんでいます。独自のグリップトレーニングによって強くしなやかな筋肉ができて、自分でも驚くほど疲れにくくなりました。

 でも、一番変わったのは気持ちが強くなったことです。以前は常に次の仕事のオファーが入っていないと不安で、進歩がない自分が不安で、もっと努力しなければ! ともがいていました。今は不安にさいなまれることはなく、何が起きても乗り越えてやろうと前進する力が湧いてくるんです。人はできない理由を探しがちですが、今の私はできる理由、やる理由を探すようになりました。大病をしたことで「新しい自分をもらった」と思っています。

(聞き手=松永詠美子)

▽松田優(まつだ・まさる)1963年、東京都生まれ。プロレスラーを目指していた25歳の時、映画のオーディションに合格して89年「春来る鬼」で主演デビュー。その後も映画、Vシネマなどで主役を重ねた。海外進出も果たしたが、2007年に直腸がんで入院。復活後は舞台にも進出し活動している。現在、「松田式・握力グリップトレーニング」が好評で、東京(南大塚)、横浜、御殿場で定期的にワークショップを開催している。

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