新型コロナワクチンの疑問に答える

年内に可能というが…国内ワクチンはいつ実用化されるのか

塩野義製薬の手代木功社長(C)日刊ゲンダイ

 製薬大手「塩野義製薬」の手代木功社長は今月10日の決算発表会見で、新型コロナウイルスのワクチンについて「早ければ年内の供給が可能」と強調した。とはいえ臨床試験は昨年12月に始めたばかり。国内ワクチンはいつ実用化されるのか――。

 政府は2020年度の第2次補正予算で、生産設備などの費用を補助する「ワクチン生産体制等緊急整備基金」に1377億円を計上した。国産ワクチンは現時点で4社が臨床試験を実施する予定。アンジェスの「DNAワクチン」は第Ⅱ/Ⅲ相試験まで進んでいて、塩野義製薬の「組み換えタンパクワクチン」とKMバイオロジクスの「不活化ワクチン」、第一三共の「mRNAワクチン」は、いずれも第Ⅰ/Ⅱ相試験となっている。承認までは、第Ⅰ相試験~第Ⅰ/Ⅱ相試験~第Ⅱ相試験~第Ⅱ/Ⅲ相試験~第Ⅲ相試験~申請という流れ。先は長い。

【Q】塩野義製薬のワクチンはどんなものか

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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