新型コロナワクチンの疑問に答える

年内に可能というが…国内ワクチンはいつ実用化されるのか

塩野義製薬の手代木功社長(C)日刊ゲンダイ

【A】「『遺伝子組み換えタンパクワクチン』と呼ばれるもので、新型コロナウイルスのタンパク質の一部を組み込んだバキュロウイルスを蚕の幼虫などの細胞に感染させてコロナの表面にあるスパイクタンパク質を作り、これを精製し、投与することで免疫を獲得させるワクチンです。インフルエンザワクチンなどにも使われている手法です。しかし、ほぼ同一の手法でノババックス社がアメリカやメキシコで3万人を対象に第Ⅲ相試験を行っています。年末までに間に合わせるのであれば、ノババックス社のデータを共有し、日本の審査を緩めつつ、共同研究していくやり方しか考えられません。また、mRNAワクチンよりも重篤な副反応が出ることも報告されている。安全性を考えて十分な検証をするには、まだ1年はかかるのではないでしょうか」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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