進化する糖尿病治療法

アメ、ガム、コーヒー…知らず知らず取っている甘いものに注意

健康にいいと思っていることが逆効果

「ビタミンや食物繊維が豊富だから毎日、果物を食べています」と言う患者さんは少なくありません。特に、テレビで「ビタミンCを摂取すると感染症にかかりにくくなる。ビタミンCはミカンやイチゴなどに豊富」といった取り上げ方をされると、「食後にミカン」「食後にイチゴ」という患者さんが増えます。ミカンは小さく、手軽に食べられますから、1日に2個も3個も食べる方もいます。イチゴにコンデンスミルクをかけて食べる方も。

 しかし、ミカンやイチゴといった果物は“甘いもの”と考るべき。近年は糖度の高い果物が多いですから、体にいいと思って食べていた果物が血糖コントロール不良を招いていたということはよくあります。

 パンも要注意。たいていのパンは製造過程で砂糖やバターを使っており、合わせるおかずもベーコンやスクランブルエッグなど高カロリーなものになりやすいので、主食としてはあまりお勧めできない。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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