身近な病気の正しいクスリの使い方

頭痛の原因はさまざま 誤った薬を使うと悪化するケースも

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 急性の頭痛はしばらく安静にすれば痛みが治まるか、症状を改善するために消炎鎮痛剤が一般的に使われます。慢性の頭痛の場合は急性とは異なり、緊張型頭痛では筋弛緩薬や抗不安薬、片頭痛と群発頭痛の治療にはイミグランやゾーミッグといった脳血管の拡張を抑える薬が使われます。予防には、降圧薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などが用いられます。

 最近では、1カ月に1度注射するタイプの予防薬「エムガルティ」が発売されました。CGRPという物質を抑えることで、血管拡張や炎症反応を止める画期的な新薬として注目されています。いずれにせよ処方箋が必要な薬ですし、命に関わる病気が隠れていることもありますから、激しい頭痛や長引く頭痛がある場合には病院を受診しましょう。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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