病気を近づけない体のメンテナンス

脳<上>萎縮を遅らせる7つの習慣とワーキングメモリー訓練法

料理は「前頭極(10野)」を鍛える

「人間がワーキングメモリーの訓練をすると、その能力が増します。さらに、その訓練によって前頭前野の『考える能力』が高くなって、頭がよくなることも確認されています。そして、ワーキングメモリーは、複数の事柄が複雑に絡み合うほどフルに使われるという特徴があります」

 前頭葉にある「前頭極」と呼ばれる「10野」の働きも重要になる。ここは、さまざまな情報から総合的に物事を理解し、問題を解決する時や創造的なことをする時に使われる、人間だけにある領域。前頭極を鍛えることこそが、いつまでも人間らしく知的に活動するポイントになる。そして前頭極を働かせ、複雑なことをいろいろ考えて判断・実行するためには、ワーキングメモリーが必ず働いているのだ。

「それが前頭極とワーキングメモリーの萎縮が進むと、いま目の前にあることしか考えられず、計画的に物事を進めたり、先を予測して行動したり、状況に合わせて正確な判断をしたりすることが困難になってしまう。それがいわゆる加齢による脳の老化現象です」

3 / 5 ページ

関連記事