知っておきたい新型コロナウイルスと「腸」の深い関係

写真はイメージ

 新型コロナウイルスの侵入をブロックしたり、重症化を防ぐには腸内環境の改善が欠かせない。そのために考えるべきは腸内細菌のバランスだ。

「体内には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌がいるといわれ、これら全体を腸内細菌叢と呼んでいます。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌、大腸菌などの悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つのグループがあり、その種類が多いほど良い状態とされています。その多様性が失われると、腸のバリアー機能が衰えて免疫力が低下するといわれています」

 腸内細菌叢のバランスを整えるには、まず食事に気を配りたい。

「ヨーグルトや納豆などの発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれています。善玉菌のエサになって増殖を助ける食物繊維も意識して摂取しましょう。大豆などの豆類やゴボウやカボチャなどの根菜類、ライ麦や玄米などの穀類に多く含まれます。また、腸管バリアー機能を落とす高脂質・高カロリーの食事はなるべく控える方がいいでしょう。さらに緑茶成分であるエピガロカテキンがコロナウイルスの接着を抑えるというM・F・ハンらの報告がありました」

 香港の研究によると、新型コロナウイルス感染者は、腸内にビフィズス菌など数種の善玉菌が不足していて、善玉菌の不足は重症度と関連していたという。コロナ禍を無事に乗り切るためには腸を意識すべし。

4 / 4 ページ

関連記事