また、初年度にeGFRを2回以上測定した20万5622人を対象にeGFR低下率を推定し、その後の認知症リスクとの関係も検討。すると、腎機能が急激に低下している人ほど認知症リスクが高いという結果が出ました。
さらに、他の病気と認知症リスクの関係を「人口寄与危険割合」で解析した結果、認知症の10%が慢性腎臓病に起因していることが分かりました。慢性腎臓病が認知症リスクに最も関係しており、次いで、うつ病(7%)、脳卒中(4%)、糖尿病(2%)でした。なお、人口寄与危険割合は疫学の指標のひとつで、その危険因子によって罹患率がどれくらい高くなるか、危険因子をなくすことで罹患リスクがどれだけ減少するかを示すものになります。
■腎機能は検査をしなければ異常があるかどうかが分からない
この研究結果の新しい点は、今までも想定はされていましたが、腎機能と認知機能に直接フォーカスを当てて関連性を報告したところだと思います。
進化する糖尿病治療法