身近な病気の正しいクスリの使い方

スイッチOTCも多い湿布薬は使いすぎに注意 深刻な副作用も

使い過ぎに注意(写真はイメージ)

 ただし、そうはいっても湿布薬はれっきとした「薬」です。皮膚から薬剤を吸収させて局所的な痛みや炎症を和らげる効果のある外用貼付薬で、かなり強力な有効成分が含まれているタイプもあります。飲み薬に比べると重大な副作用は起こりにくいとされていますが、適正な量を適正に使用することが大切です。

 市販の湿布薬に含まれている代表的な成分は「フェルビナク」「ジクロフェナクナトリウム」「インドメタシン」の3つで、いずれも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。有効成分が胃粘膜の保護作用を低下させるため、胃腸障害を起こしやすくなる副作用があります。

 また、「ケトプロフェン」という成分が含まれている湿布薬では「光線過敏症」という副作用が知られています。皮膚の表面近くにとどまっている成分に日光などの強い紫外線が当たると、発疹、腫れ、水ぶくれといった激しい皮膚炎症状が表れます。

 身近で手軽だからといって湿布薬を侮ってはいけません。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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