独白 愉快な“病人”たち

前立腺がん克服した吉川精一さん「主治医の言葉に救われた」

吉川精一さん(本人提供)

 紹介されたのは「神奈川県立がんセンター」でした。6月半ばにあれこれ検査をしたあと、7月からさらに検査入院となり、「間違いなく前立腺がんです」という結果が出たのは7月半ばでした。ステージという言い方ではなく、「がんの進行度合いは真ん中へんです」と言われました。あとから聞いた話では、PSA値は「4でがんの疑い」と診断されるところ、がんセンターでの検査結果は「7」だったとのこと。現在は「0・01」くらいなので、当時の数値の異常さが分かります。

 がん告知のショックを救ってくれたのは、主治医の「前立腺がんはゆっくり進行するので、今日明日死ぬようなものじゃありません」という言葉でした。「ああ、そうなのか」とホッとしました。さらに「悪いものが早く見つかったのです。一緒に治していきましょう」と言っていただき、悲観していた考えを改めました。

「早く見つかったことに感謝して、あとはお任せしよう」と。

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