秒速薬膳でアッという間に健康に

トウモロコシで体の中から湿気を取り除きむくみを解消する

除湿バターコーン
除湿バターコーン(提供写真)

 テレワークでプレゼンだというのに、なんだかむくんだ顔……。食べてしっかり体の中から“水ヌキ”しましょう。中医学では、消化をつかさどる「脾」の働きが低下すると水の巡りが悪くなり、むくみを引き起こしやすくなると考えます。脾の働きが弱ると疲れやすい、睡眠に関係なく食後に眠くなる、朝なかなか起きられない、下痢といったトラブルも表れがちです。このタイプはとにかく湿気に弱く、雨の日にむくみが悪化します。最悪なのはこれから迎える梅雨時。むくみばかりか、頭や体が重だるい、消化不良、じんましんなどトラブルだらけになりやすいのです。

 もともと高温多湿の地に住む日本人は脾が弱いタイプが多く、とくにわかりやすいのが台風の前。むくみはもちろん、頭が重たくなる、眠気がひどくなるといった症状が表れる場合は明らかに脾が弱い証拠! 梅雨には万全の対策を講じましょう。

 むくみを解消し、梅雨時のトラブルを撃退するためには脾の機能を高め、体の中から湿気を取り除く、利尿作用の高い食材を取り入れることが大切です。

 体内の湿気を追い払うのにおすすめなのが豆類。体の余分な水分を排泄し、脾を健やかに保ちます。とくに、胃腸の消化吸収を高めて、利尿を促す効果が高いソラマメ、枝豆を積極的に取り入れましょう。

 緑豆もやしは利尿作用に優れた食材。原料となる緑豆には、水分代謝をアップする効果があるのです。お値段50円ギリで体の水気をギュッと絞るのに役立つ、まさに「お値打ち除湿フード」!

 緑豆春雨にも同様の効果があります。

 トウモロコシも、むくみ改善に威力を発揮する「脱水食材」です。ヒゲの部分は「南蛮毛」と呼ばれる利尿のための生薬で、実にも、もちろん薬効があります。利尿作用が極めて高く、結石の排出にも役立つほどのパワーがあるのです。血圧、血糖値低下にもおすすめです。皮と種の部分は利尿の生薬として使われる冬瓜も、ぜひ取り入れたい食材です。そのほか、海苔や昆布などの海藻類、白身魚、アサリもむくみ改善に役立ちます。ドリンク類では、はとむぎ茶を選びましょう。さらに、むくみを解消するテクニックとしては、これらの食材に、香り野菜を組み合わせること。青じそ、三つ葉、パクチーなどには、その香りが体の湿気を追い払う作用があるのです。

 当然ながら、大量の水分摂取は慎みましょう。むくみには冷えも大敵なので、ガンガンに冷房の効いた部屋で、冷たい飲みものをガブ飲みなどといった行為は症状を劇的に悪化させるので注意してくだい。

■むくみ改善薬膳レシピ

 高い利尿効果でむくみを改善するトウモロコシを、コーン缶で手軽に取り入れられるお手軽缶詰薬膳です。除湿パワーを高めるために海苔と青じそをトッピング。おつまみに最高ですがビールはほどほどに。

【材料】
●コーン缶(120グラム)  1缶
●バター  5グラム
●しょうゆ  小さじ2分の1
●青じそ  6枚
●もみ海苔  適量
●塩・こしょう  適量

【作り方】
 耐熱皿に汁気をきったコーン缶の実を入れ、バターをのせラップをかけて電子レンジで30秒加熱する。しょうゆと塩・こしょうで味を調えたら器に盛り、千切りにした青じそともみ海苔をのせる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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