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脳<下>「ブレーンフード」コリンに注目 記憶や筋肉に関係

大豆に含まれる「大豆レシチン」が肝臓でコリンに合成される

 脳の働きを活性化させる食べ物を「ブレーンフード」と呼び、研究の成果で脳にいい栄養素がだんだん分かってきている。それ以前に「食べる」という行為、それ自体が「脳にいいこと」なのだ。

 大脳研究の第一人者で京都大学名誉教授の久保田競氏(医学博士)が言う。

「食べ物を見たり、匂いを嗅いだり、グツグツ・ジュージューといった音を聞いたりすると、その情報が『大脳皮質』から『前頭前野』に伝わり、手を使って『食べる』という行動に移ります。この時すでに、脳の中ではさまざまな領域が働いています。さらに食事をすると、脳は視覚・味覚・嗅覚・聴覚・触覚・迷路機能(直線加速と回転加速)の六感から、情報を受け取ります。そして、何を食べて、どう感じたか、好きか嫌いかなどを学習し、記憶しています。しかも、知らず知らずのうちに、考えているいろいろなことが脳を活性化することにもなっているのです」

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