病気を近づけない体のメンテナンス

脳<下>「ブレーンフード」コリンに注目 記憶や筋肉に関係

大豆に含まれる「大豆レシチン」が肝臓でコリンに合成される

 すでに30年ほど前に、アルツハイマー病の患者の脳でアセチルコリンの減少が発見されている。それによって開発されたのが「アリセプト(一般名・ドネペジル)」という薬だ。この薬は、アセチルコリンを分解する酵素を阻害することで効果を発揮する。ただし、アルツハイマー病の初期の進行を遅らせるだけで、症状を改善させる効果は認められていない。

 大豆以外にもコリンが豊富に含まれている食品は、「生卵」「鳥レバー」「牛肉の煮込み」「豚肉」「薫製ベーコン」「エビ」「インスタントコーヒー」など。ピスタチオやカシューナッツなどの「ナッツ類」、ゆでたブロッコリーや冷凍ホウレンソウなどの「野菜」にも比較的多く含まれているという。

■DHAやビタミンB群も重要

 青魚に多く含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」も脳にいい栄養素として知られる。これに、アマニ油やエゴマ油に多く含まれる「α―リノレン酸」を加えて「n―3系多価不飽和脂肪酸」と呼ぶ。

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