加齢で衰えるが…「噛む力」を維持すれば心臓病を予防できる

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 なぜ、噛む力が弱いと循環器疾患を発症しやすくなるのか。小林歯科医院の小林友貴氏は言う。

「まだはっきりした理由はわかっていませんが、いくつか考えられる要因で、まず挙げられるのは食事の影響です。高齢になると全身の筋力が衰え、噛む力=咬合力も低くなります。そうなると、食べ物をうまく噛み砕けなくなるため、野菜や肉といった硬いものをだんだんと避けるようになっていきます。実際、咬合力が低いと緑黄色野菜や魚介類の摂取が少なくなるという報告もされています。また、咬合力が低くなると、逆に糖質が多く含まれた軟らかいものを選んで食べるようになる。その結果、栄養バランスが崩れ、動脈硬化を予防する働きがある食物繊維や抗酸化ビタミンなどの摂取が少なくなり、循環器疾患の発症リスクが高まることが考えられます」

■全身の血流にも影響

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