男性不妊症のすべて

精子を作れるのか、作れないのか…それが問題だ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■女性の中で“いけない”膣内射精障害が増加中

 次に造精機能障害以外の不妊です。まずは、性機能障害によるものです。勃起障害と射精障害があります。射精障害では、自慰行為では勃起も射精も問題ないのに膣内で射精ができない状態を指す「膣内射精障害」によるものが最近多くみられます。

 次に、精路通過障害による不妊です。精子の通り道である精管が閉塞しており、射精した精液に精子が含まれていない状態を指します。原因不明な場合が多いです。また、一般的にパイプカットと呼ばれる精管結紮術後も外来ではよく見受けられます。

 男性不妊症の原因は多岐に渡るので、専門医による診察を受けることが望ましいと考えます。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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