進化する糖尿病治療法

正常値で心臓病がない人も薬で血圧を下げると健康メリットあり

血圧が5㎜Hg低下すると心臓病リスクが10%低下

 血圧をどこまで下げるかについては、はっきりと決着がついたわけではなく、今後も研究結果が発表されていくことでしょう。個人的には、現在心血管疾患がなくても、家族に心血管疾患の人がいる場合は、血圧をガイドラインのレベルにまでは下げておくべきと考えます。特に30~50代では、「血圧がやや高い」レベルでも油断は禁物。もちろんすぐに薬を使用とはなりませんが、日本人は塩分を比較的多く摂取するので、脳卒中が心血管疾患の中で割合が多いです。しっかりと塩分管理、体重管理をすべきです。

 血圧は高くても自覚症状がないため、1年前の健診で「やや高い」だったのが、実は「とても高い」と変化している可能性もあります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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