男性不妊症のすべて

良い精子を作るために改善するべき「4つの生活習慣」

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■肥満は精巣の温度を上げて精子の元気を奪う

 最後は、外来診察で最も多くみられる肥満の問題です。肥満があると、下腹部や太ももの間に陰嚢が挟まれる形になり、精巣の温度が上昇しやすくなります。また、肥満は酸化ストレスの上昇にも関係します。循環器系や代謝系に影響するのが原因です。

 また、肥満は高血圧、脂質異常症、心血管疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスク因子になります。適正体重は「BMI 22」といわれています。有酸素運動を中心とした運動をして適正体重を目指しましょう。肥満は精子にとって大敵なのです。

 精子は自分自身の生活習慣を変えることで質を高めることができます。「元気な精子」のために生活改善を心掛けてください。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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