身近な病気の正しいクスリの使い方

ドライアイを改善する涙に近い目薬は速やかに使い切る

ドライアイは目薬を使って早めの対応を
ドライアイは目薬を使って早めの対応を(C)日刊ゲンダイ

 パソコンやスマホが当たり前の時代になり、眼精疲労に悩んでいる人も多いでしょう。いわゆる疲れ目の原因のひとつとして「ドライアイ」が挙げられます。ドライアイはさまざまな要因で涙の分泌量が少なくなったり、涙が乾きやすい状態になったりすることで、目の表面の涙が不足する病気です。涙には目を保護するバリアー機能があるため、機能が働かなくなることで目が疲れるだけでなく、目に傷がついてしまう場合もあります。要注意です。

 ドライアイは、体質や環境因子、仕事、ストレスなどさまざまな要因が関係するため、治療は対症療法が一般的です。涙の不足によって起こる症状なので涙を補う治療を行います。治療というと大げさですが、目薬をさすだけです。治療がシンプルなだけに大事になってくるのが目薬の選び方です。

 医療機関を受診すれば医師が適切に目薬を処方してくれるので問題ないのですが、自分で選ぶ場合には下記の成分を意識しておくとよいでしょう。涙は主に「塩」ですので、塩化ナトリウムや塩化カリウムが主成分になります。目薬としては、潤いや保護目的でヒプロメロースやコンドロイチンが含まれているものが有効に働きます。

 一方で、防腐剤である塩化ベンザルコニウムなどの成分は、逆に目を傷つけたり症状を悪化させたりすることがあるので、含まれていないものを選ぶ方が望ましいでしょう。

 成分が最も涙に近く、しみない(刺激のない)目薬は「ソフトサンティア」です。ただ、防腐剤が入っていないため開封後は速やかに使い切り、古いものを使わないようにしましょう。古い目薬は眼病やアレルギーの原因となるケースがあります。

 現代病ともいうべき眼精疲労やドライアイには、薬局でも購入できる目薬を使って早めの対応をおすすめします。

神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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