がんと向き合い生きていく

がんではないかと不安になる壊死性リンパ節炎は原因が分かっていない

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

■何もしないで良くなる場合も

 10日後の組織検査の結果は「壊死性リンパ節炎」という診断でした。Kさんには聞いたことのない病名で、外科から血液内科に回ることになりました。

 そして血液内科の医師から、「悪いものでなくて良かったですね。壊死性リンパ節炎の原因はよく分かっていません。何もしないで良くなる方と、ステロイドホルモンを使って良くなる方が半々くらいです。ステロイドホルモンを出してみましょう」との説明がありました。

 処方されたステロイドホルモンを夕方から内服したところ、翌朝にはリンパ節は小さくなっていて、1週間後にはほとんど触れなくなりました。

 血液内科の医師は「腫れはほとんど消えましたね。良かったです。薬はもう必要ないと思います」と言って、さらにこんな話が続きました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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