アトピー性皮膚炎は症状を繰り返すのが当たり前な病気ではない

積極的な治療をしない医師もいる

 塗る量が少ないと効果がない。人さし指の先端から第1関節までの量が手のひら約2枚分の皮膚の面積に塗る量だ。症状がある部分すべてに塗る。

「毎日、規定の回数、十分量のステロイド外用薬を塗れば、かゆみは消えていきます。しかし、皮膚の症状が消えても、皮膚の下では炎症がまだ消えていません」

■皮膚の炎症が消えてからが大切

 炎症の程度は、TARC(ターク)というアトピー性皮膚炎に関係する物質を測定すれば分かる。

 TARCの検査は血液検査で保険適用だ。成人のTARCは500以下が正常値だが、ステロイド外用薬でかゆみも湿疹もなくなった“一見治ったような段階”でも、TARCがまだ1000以上という人が珍しくない。

「TARCが基準値以上、つまり炎症がまだある段階でステロイド外用薬をやめると、再発します。TARCの数値が下がり、炎症がなくなったと確認できるまではステロイド外用薬を塗り続けなければなりません」

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