独白 愉快な“病人”たち

顔が「白い」と夫に言われ…東ちづるさん胃がん克服を語る

東ちづるさん(C)日刊ゲンダイ

 でも、胃がんになってつくづく思ったのは、「粗末に扱ってごめんね」という自分の体への謝罪と反省です。私の場合、「自分自身がこうした病気をつくった」と思っています。まず、父方にも母方にも誰もがんになった人がいないんです。さらにコロナ禍に見舞われて、生活が乱れに乱れました。

 仕事もボランティア活動もなくなり、「明日までにこれをしなきゃ」ということもないから、朝までダラダラ映画を見たり、お酒を飲むことが増え、不安や不満もたまる一方。食の乱れやストレスはがんのもとだと知っていたのに、「自分はがんの家系でもないし、健康だから大丈夫」と過信していたのです。

 ある意味、胃潰瘍になってよかったと思っています。そして、見過ごされてもおかしくないほどの初期がんを見つけていただいたことに感謝しています。入院したのはコロナ病棟のある病院だったので、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。

4 / 5 ページ

関連記事