コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

線虫がん検査<下>見分けられる感度は85%以上 自宅で完結

(HIROTSUバイオサイエンス提供)

「検査では、体長約1ミリの『シー・エレガンス』という種類の線虫(糸状の細い生物)を用います。線虫は機械では検知できない微量なにおい物質を嗅ぎ分けることができ、がん患者の尿に含まれるがん特有のにおいを検知します。ですから尿を検体として提出してもらい、がんのリスクを調べる『生物診断』という検査法になります」

 検査の手順はこうだ。専用Webサイトで検査を申し込むと、1週間程度で指定の住所に検査キットが届く。専用の容器に尿を採取したら、同梱されているIDとパスワードをWebサイトに入力し、検体(尿)の提出日を予約する。すると、その日程に合わせて専用スタッフが集荷に来るので、それまで検体は冷凍庫に保管しておく。検体の集荷から約6週間後に、検査結果が郵送で届くという流れだ。

「検査は、シャーレ(容器)に50~100匹の線虫と尿を配置し、30分ほど置いてから線虫の分布を解析します。精度を高めるため、1検体につき二十数回の解析を経て最終的な総合評価とリスクの度合いを導き出しています。線虫ががんを見分ける感度は85%以上であることが、臨床試験で確認されています」

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