秒速薬膳でアッという間に健康に

アジ・くるみ・ピーナツを組み合わせ「脳」をパワーアップ

アジの脳トレタルタル
アジの脳トレタルタル(提供写真)

 最近、新しいアイデアが浮かばないし、アタマの回転もいまいち。そればかりか「あれの、これの、それが、それで」を連発。人の名前を覚えられず、探し物ばかり……。脳の衰えを感じているなら、薬膳で脳力をアップ、ひいてはボケ防止に励みましょう。

 薬膳において、脳のパワーアップに何といってもおすすめなのがくるみです。中国では古来、実の形が脳と似ていることから、脳を滋養する「補脳」効果が絶大とされています。まさに「脳トレナッツ」!

 また脳の働きは、中医学で老化をつかさどる臓器である「腎」との関わりが深く、くるみは腎のパワーアップにも貢献します。記憶力低下、ボケ防止のために、積極的に取り入れたい食材です。小腹がすいた時やおつまみに、また刻んで料理のトッピングに使うなどこまめに摂取するのがいいでしょう。

 また、アジとイワシは中医学においてズバリ「健脳」という効能がある魚。そのほか、うずらの卵、黒ゴマも脳をしっかりとサポートするのに役立ちます。

 過度のストレスも、脳には悪影響を及ぼします。ストレスで「気の巡り」が悪くなると、脳の働きが鈍くなり、思考能力が落ちてしまうのです。

 さらに恐ろしいことに、気が滞った状態が続くとボケるスピードも加速しがち。気の巡りをよくすることも心掛けることが大切です。

 おすすめは、青じそ、三つ葉、パクチー、セロリなどの「香り野菜」。すっきりした香り成分が気の流れをよくして、ストレスを解消してくれます。脳活のためにしっかり摂取を。

 また、脳を滋養しているのが「血」。企画書の作成が続くなど脳を酷使すると、血が消耗されるために脳疲労がひどくなりがちです。よって、血をしっかり補うことも重要なポイント。これを怠ると、脳力がダウンするばかりか物忘れが激しくなり、またまたボケが早まりやすくなってしまいます。そのうえ、血が不足すると「毛が抜ける」というダブルパンチ! 特に普段から頭をフル稼働させている人は要注意です。

 血を補うにはピーナツやレーズンを。黒砂糖も脳に血を送り届ける働きがあります。コーヒーや紅茶に甘味をつけるなら黒砂糖を使いましょう。頭が疲れ切った午後のティータイムにおすすめです。 (水曜掲載)

■脳力アップ薬膳レシピ
アジの脳トレタルタル

 健脳フィッシュのアジ、補脳ナッツのくるみ、ストレスを撃退するパクチーに血を補うピーナツと「脳トレパワー」絶大なレシピ。初夏にふさわしい爽快な味わいでビールのおつまみにもぴったり。

【材料】
●アジ刺し身 1パック
●くるみ  大さじ1
●ピーナツ  大さじ1
●パクチー  適量
●ソース(ナンプラー大さじ2分の1、酢大さじ2分の1、レモン汁大さじ1、ごま油小さじ1、にんにくのすりおろし少々、タバスコハラペーニョソース少々、砂糖ひとつまみ)
●塩・こしょう 適量

【作り方】
 アジ刺し身、くるみ、ピーナツを包丁で粗く刻みボウルに入れる。ソースを加えて混ぜ合わせ、塩・こしょうで味を調える。器に盛ってザク切りにしたパクチーをのせ、あればクコの実を散らす。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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