全国で8割以上行われている低位結紮術は、手術用顕微鏡を用います。特徴は低侵襲なことで、再発率や合併症である術後の精巣水瘤の頻度が最も低いと言われています。ただし、操作が細かいので、手術には熟練さが必要です。
実際の方法については、左精索静脈瘤の場合、左鼠経部の皮膚を約2・5~3・0㎝切開して操作を進め、精巣につながる精索と呼ばれる束を体外へ露出させます。精索には、「動脈」「静脈」「精管」「リンパ管」「神経」が通っています。手術用顕微鏡を用いて、静脈だけを結紮する手術を行います。動脈を傷つけると精巣委縮、リンパ管を損傷すると精巣水瘤を起こす原因になるので、熟練度が要求されるのです。
手術後の注意点として、術後3~4週間は下半身に力を入れる運動は控えるように指導します。不妊治療の再開時期に関しては、手術直後から許可しています。
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