今回のガイドライン改訂は、そのバックグラウンドづくりの一環だったと考えることもできます。極端なお話をすると、「メスで切開して患部を処置し針と糸で縫って閉じる」だけで終わる外科手術に比べ、内科治療はカテーテルやクリップといった治療で使われる器具(デバイス)や機材が数多く必要です。その分、治療にかかる費用は開発費や治験費用など、内科治療のほうが高額になります。
医療機器メーカーは投資の回収も重要課題で、治療法の確立によって内科治療が増えれば増えるだけ利益につながるといえます。そのため、それを“後押し”する雰囲気があるのは否めません。
患者さんからすれば、体への負担が少ない低侵襲な治療を受けられる機会が増えることでプラスになる部分が多くあるのは事実です。また、一定の技術と経験で外科治療と同等の医療が提供できるデバイス治療は魅力的です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」