コロナ禍の巣ごもりトラブル「肥満」と「疲労」はお酢で解消

お酢はグレープフルーツジュースに混ぜてもおいしい
お酢はグレープフルーツジュースに混ぜてもおいしい

 度重なる緊急事態宣言で生活様式が変容し、肉体や精神にダメージを受ける人が増えている。外出自粛などの行動制限が過大なストレスを生み、肥満やうつを招いているというのだ。そんな悪循環を断ち切るのに効果的なのが、大さじ1杯のお酢だという。

「リンクアンドコミュニケーション」が昨年2月から5月の体重の変化について健康管理アプリを利用している会社員2800人を対象に調査したところ、「増加した」という人は57%で、体脂肪率が増加した人も60%にのぼった。

 巣ごもり生活による運動不足が原因だろうが、問題は精神面にも悪影響を与えていることだ。東京有明医療大学教授の川嶋朗氏は、「厚労省の自殺統計を見ると、2003年をピークに右肩下がりで減ってきた自殺者の数も、昨年は、増加に転じています」と指摘する。

「外出自粛で巣ごもりが1年以上続けば運動不足になり、ストレスもたまります。ストレスによって交感神経系のホルモンが優位になれば、血管は収縮し酵素や栄養素が行き渡らなくなり、有害物質がたまります。血行不良は低体温も招き、酵素反応を鈍くして代謝や免疫を落としてしまう。交感神経が優位な状態は不眠にもつながります。その結果、肉体的にはもちろん、精神的にも大きな疲労を抱えることになり、生活習慣病やうつを引き起こしやすくなってしまうのです」(川嶋朗氏)

 こうしたトラブルを解消するには、適度な運動やバランスの良い食事が欠かせないが、プラスアルファでお酢の摂取を心がけるといいようだ。

 食酢や酢酸菌に詳しい広島修道大学教授の多山賢二氏は、「お酢の主成分である酢酸は、もともとエネルギー源となる物質ですが、利用されない残りの半分ぐらいは人の細胞にシグナルを与えて変化を起こすのです。そのひとつがAMPキナーゼの活性化で、これによって体はまるで運動を始めた時のように反応するのです」と言う。

 AMPキナーゼの活性化は脂肪の燃焼を促進し、インスリンの感受性を向上させて血糖値の上昇を抑制する。その結果、体重が落ち、糖尿病の予防にもつながるのだ。

 実際、「お酢でおいしさと健康を考える会」の調査によると、昨年11~12月の28日間連続で大さじ1杯のお酢を摂取した人の64・3%が体重の減少を記録したという。ざっと全体の3分の2ぐらいは痩せたのだ。

 同調査によると、「こころの疲労感」も46・4%が改善したと回答。「からだの疲労感」は67・8%が改善したと答えている。

「普段は酸っぱくて多くは食べられないレモンでも、運動後であれば丸かじりできたりしますよね。疲れている時は、酸っぱいものも平気で食べられるようになるのです。これは疲労時に味覚の感受性が悪くなることが要因ですが、そうなるのも体が疲労回復に効果がある酸っぱいものを求めているからだと考えられます」(多山賢二氏)

 もちろんお酢さえ飲んでいればいいというわけではないし、効果にも個人差がある。

「1カ月ぐらいデータを取ってみて、変化を感じることができれば続けてみてください。薬と違うのでバーンと数値が下がるわけではありません。大事なのは毎日続けること。効く人であれば、4カ月もすれば、数値で実感できると思います。私も毎日、大さじ2杯分のお酢を摂取しています。1日に大さじ6杯ぐらいまでなら何の問題もありませんが、ストレートでは胃が荒れるので5倍ぐらいに希釈することも忘れずに。グレープフルーツジュースに混ぜると苦味もプラスされておいしいですし、酢では足りないビタミンを補うために野菜ジュースと一緒に取るのもいいと思います」(多山賢二氏)

 自由な日々を取り戻すまで、酸っぱい暮らしを続けてみるのも悪くないかも。

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