Dr.中川 がんサバイバーの知恵

小倉智昭は勃起しないが…男性機能はがん治療でこう変わる

小倉智昭さん(C)日刊ゲンダイ

 膀胱がんや前立腺がん、直腸がんなどの手術で、勃起や射精に関係する神経が障害されると、性機能障害が起こることがあります。これらのがんは早期なら治りやすく、たとえば前立腺がんで腫瘍が前立腺にとどまっているタイプならステージ1の10年生存率は100%。こういうがんでは、生活の質をいかにキープするかが、治療を選ぶうえで重要です。

 タレントの小倉智昭さん(74)が、フリーアナの笠井信輔さん(58)のネット動画番組に出演。膀胱がんの手術後の男性機能について語ったことが話題です。

「膀胱の周囲にある男性自身の勃起神経と精子を作る神経を切ります」

 手術前にそんな説明を受けたため、男性機能は諦めていたといいます。それが1年ほど経ち、勃起はしないものの、「性欲はなくならない。しかも、イケる。射精と同じ気分になれることが分かったんです。大発見でした」と告白しました。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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