男性不妊症のすべて

肌つやつや、ひげもあまり生えない男子高校生に問題はある?

写真はイメージ(C)PIXTA

 この第二次性徴の時期にホルモンの働きがうまくいかないと、精子形成が行なわれません。結婚して子供を希望したときに無精子症で発見される「低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症」という病気があります。

 ゴナドトロピンとは、性腺刺激ホルモンといって、脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体ホルモン)のことを指します。男性の場合、FSHは精子形成に関与し、LHは精巣からのテストステロンの分泌に関与します。精巣の大きな役割は、精子形成とテストステロンの分泌に大別されるのです。

 それでは、ゴナドトロピンが思春期の時期にまったく分泌されないとどうなるでしょうか? 声変わりせず、ひげや陰毛も生えません。そして、精子形成も起きません。身長に関しては成長ホルモンが関係するので、低かったり高かったりさまざまです。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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