男性不妊症のすべて

肌つやつや、ひげもあまり生えない男子高校生に問題はある?

写真はイメージ(C)PIXTA

 治療は、欠乏しているゴナドトロピンを補充します。効果はてき面に表れ、治療開始から6カ月過ぎて精子が見られるようになりました。また、声変わりもして、ひげや陰毛も生えてきました。Aさんは「ニキビがひどくなりました」と、笑顔で受診されました。遅れていた第二次性徴が見られているようです。顕微授精で無事に奥さんが妊娠もできました。

 低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症は非常に稀ですが、治療で無精子症を治すことが可能な病気です。治療に関しては、特定疾患医療費助成制度の給付で治療を受けることができます。思春期を過ぎてもひげが生えない、陰毛が生えない、声変わりが見られないなどの症状があれば、ぜひ専門家に相談してみてください。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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