数値はできればノートに記録しておき、基準値(家庭での血圧の基準値は135/85㎜Hg未満)を超えたり、基準値は超えていないけれど数値が上昇傾向にあるようなら、内科で相談することを勧めます。その際、医師から「とりあえず様子を見ましょう」「この次も数値が高かったら何か考えましょう」といった言葉が出たら、少し注意が必要です。
最近、よくいわれているのが「clinical inertia」という言葉です。前出の2019年の高血圧治療ガイドラインでは、日本高血圧学会が「臨床イナーシャ」という言葉を当てています。
高血圧や糖尿病の診察では、治療目標に達成していなかったり、数値が多少高かったりしても、治療内容を見直さず「とりあえず様子を見ましょう」「とりあえず今日は同じ薬を出しておきましょう」となりがち。しかしこれでは、適切な治療になりませんし、治療開始の遅れ、将来的には合併症の発症のリスク増大につながりかねません。
進化する糖尿病治療法