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ワクチン接種後の「胸痛」にご用心 心筋炎の報告が相次ぐ

子供が危ない(C)ロイター

 委員からは「軽度でも後遺症は出る可能性はないのか?」などの声が上がった。専門委員は「ごくまれで、ほとんどが軽症」として、接種後心筋炎で入院した20代男性の例を説明した。血液検査で心筋炎マーカーの数値の上昇は見られたものの器質的変化はなかったという。ただし、「軽度の心筋炎は疑ってかからないと見つけられないため副反応としての心筋炎はもっと多いのではないか」として注視することになった。

 循環器疾患に詳しい医師が言う。

「WHO、CDC共にワクチン接種後の心筋炎は念頭に置くべきとしていますが本格的なデータ収集はこれからでしょう。ただ、ワクチン接種後の心筋炎発症は疑いもない事実。米国の小児科医からは14~19歳の健康な男子7人が2回目の接種後2~4日で心筋炎・心筋心膜炎が出た症例が報告されています。全員胸痛がありましたが2~6日の入院ですべて回復したそうです。欧州の友人の医師はワクチン接種後10日間不整脈が出たと知らせがありました。接種数日以内に生じ、胸痛、動悸、息切れなどの症状が出ます。症状が出ない、不顕性のものも多い可能性はあります。幸い今は頻度も少なく、たとえ症状が出てもステロイドや普通の消炎鎮痛剤の治療で軽快します。ただ、大人なら無視できても、子供の長期的後遺症はわかりません。それゆえ、注意深く子供や青年の経過観察する必要はあるでしょう。胸部症状が出れば早めの検査と経過観察が必要です」

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