がんと向き合い生きていく

妻が胃がんに 心まで病気にならないよう気分を変えたいが…

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 実は昨日、同じC病院の外科で、56歳の妻が胃がんの診断を告げられ、「手術をすれば治る」と言われて帰ってきました。ところが、担当医からは「コロナで一般病棟が削減されて、手術予定日が決められません。もう少し待ってください。がんは進んでいませんから大丈夫だろうと思います」と言われたそうです。

 妻は「医師の言葉が『大丈夫です』ではなく、『大丈夫だろうと思います』だった……」と嘆き、「もう、がんのショックばかりじゃなくて、予定が決まらなくて心も病気になりそうだ」とイライラしています。そんな話を聞いた私もイライラしました。

 私は今日、診察が終了して血圧の薬の処方箋をもらった後、C病院も大変だろうと思いながらも、病院の玄関近くにあるがん相談支援センターに寄って、妻の手術予定について尋ねてみました。すると、看護師の名札をした方がこんなアドバイスをしてくれました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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