独白 愉快な“病人”たち

もうダメだと思った デンジャラス安田さん髄膜腫を振り返る

デンジャラス安田さん(C)太田プロ

 そんなある日、熱が出て、大きな病院でPCR検査を受けることになりました。行くはずだった脳神経外科のある病院です。幸いPCRの結果が「陰性」だったので、ついでにそのまま脳神経外科を受診することにしました。

「脳梗塞なら一度腕が動かなくなったら動かないままなので、おそらく脳梗塞ではないけれど、念のためMRIを撮りましょう」

 そう言われて撮った結果が、例の画像だったのです。

 担当医の第一声は、「今日は1人で来たの?」でした。いよいよダメなんだと思いました。しかも、追い打ちをかけるように「ちょっと待っててください。院長を呼びますから」と言われたのです。あのMRI画像の後に「1人で来たの?」と「院長呼びます」ですから、不安が確信に変わりました。「こりゃ終わりだ」と……。

 結局、2時間ぐらい待たされたでしょうか。院長先生がやってきて、「かなり大きいので手術しないとダメです」と言われ、入院や手術の日取りの話になりました。でも、先生は黒い影が何なのかなかなか教えてくれないので、こっちはずっと不安なまま。「奥さんと一緒にいつ来られますか?」と聞かれた後、最後の最後に「髄膜腫かな。悪性だと輪郭がギザギザしているけど、これはきれいに丸いから良性だと思う」と教えられました。

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