独白 愉快な“病人”たち

もうダメだと思った デンジャラス安田さん髄膜腫を振り返る

デンジャラス安田さん(C)太田プロ

 すこぶる順調な入院生活の中でひとつ想定外だったことがありました。手術の翌々日、コロナ禍で原則家族も病室に入れない状況の中、例外的に面会が認められた奥さんから急に抱きつかれてビックリしたんです。いつも割と冷静な奥さんなので事情を聴くと、どうやら手術中の映像を見せてもらったようでした。なかなかの“画”だったようです。

 いまどきなのでLINEやメールで画像や文字のやりとりはできましたが、子供たちが病院まで来てくれても3階の窓から手を振ることしかできないのが歯がゆかった。僕に見えるように大きな字で、「パパ、がんばって」と書いてくれた画用紙を見た時は本当にうれしかったです。

 声を大にして言いたいのは、月並みですけど「病院は早く行った方がいい!」ということ。腫瘍が良性だったのは結果論にすぎません。そう学んだので、じつは退院後に長年の「睡眠時無呼吸症候群」を治療すべく、呼吸器内科を受診し、今は「CPAP(シーパップ)」(気道が塞がらないように空気を送り込む装置)を付けて寝ています。おかげさまで高めだった血圧が少し下がりました。

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